葬儀という仕事は地域により深く根差した仕事だと常々感じています。
どこでお葬儀を上げるかという選択肢の中には、家から近い場所を選ばれる方が多く、その地域の方々とより深く関われるお仕事の一つと言っても良いのではないでしょうか。
その為、転勤という言葉とは無縁で、身内に転勤や出張の多い者を見ていると、様々な土地に赴ける新鮮さが羨ましくもあり、地元の家族と離れなければならない淋しさや移動の苦労を思うと大変だなと思わされます。
あるご家庭では、娘様が仕事で滞在した先々にお父様が訪れて一緒に過ごすのが恒例だったそうで…その土地の風景や名産品を一緒に楽しまれたとか。
今度の福井にも訪れてくれると思い待っていた最中、残念ながらお父様がいらっしゃることはありませんでした。
「死」という突然の別れがお父様を現世からも遠ざけてしまいました。
二度と叶わなかった時間を惜しみ、娘様がお心辛い中お父様の為にとご用意下さったのは日本酒、おつまみのちくわに漆器の若狭塗箸と。どれも福井名産の一つであり、日本酒はお父様の大好きだったものでした。
袋に入ったままのちくわを見て、おつまみ用に準備をしないとお酒が進まないかと思い、いつもどのように召し上がっていたかお聞きした上で、スタッフでご用意させて頂きました。
「See you again」がお父様の口癖。お別れの際は最後にいつもそう皆様にお声掛けられていたのだとか。寂しさよりも「また会える日を楽しみにしていましょうね」というお父様のお気持ちが見えるかのようです。
お父様のお姿を見ることは難しくなってしまいましたが、きっとどこかで大切な皆様方を見守っていて下さることでしょう。
そう願い、去り行くお姿にあなたの言葉を送らせて頂きます。
またどこかで。See you again.
平安会館 文十鳳凰殿
河本
平安会館・文十鳳凰殿 公式Instagram・Facebook・Twitterでも葬儀の様子や豆知識などをご紹介しております。
ぜひご覧ください!
◇平安会館
◇文十鳳凰殿