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本当に頑張ったね

「まだ帰ってこれない?」
残業している私に母親から1本の電話が入りました。

10年以上一緒に生活している我が家の猫、タマチャン。
若い頃はちょっぴり気が強い女の子だったけど、手のかからない大人しくて良い子でした。
そんなタマチャンが、少し前からごはんを食べなくなってきたので病院へ連れて行くことになりました。
そこで告げられたのは「タマチャンは、エイズと白血病です」という宣告でした…。

体力も免疫力もなくなり、亡くなっていく可能性が高い病気。しかも治る病気ではなく、ずっと付き合っていかなくてはいけない病気でした。

そこから、タマチャンの介護生活が始まりました。
食欲はなく、自ら食事をとる事ができない状態の為、口からシリンジで流動食を与えます。
数日はそれで与えていたごはんも、次第にそれすら嫌がるようになりました。
病院へ相談すると、ごはんをとにかく与えて体力をつけることが何より最優先との事でした。
そこで、鼻から管を入れ、その管が気になって取ってしまわないよう、首にエリザベスカラーをつけ、胃へ食事を入れる方法へ変えました。
一度に沢山入れると、タマが気持ち悪くなってしまったり、受け付けなく管の中で戻して詰まらせたりする危険もある為、食事を何回かに分けて少しずつ与えます。

とにかく今できるのは、ご飯をしっかりあげてタマに体力をつけてあげること。
「とにかく頑張らなきゃ…」その想いだけでした。

それでも、タマチャンの病気はどんどん進行していきます。
頑張ってごはんをあげても、タマチャンは日に日に弱っているのが分かりました。
父も母も兄も口をそろえて言いました。

「鼻から管通されて、エリザベスカラーをつけて、身動きも取りにくそうで可哀想。それであんなに弱っているなら、もう外してあげた方が良くない?」

悩みました。間違いない意見でした。
でも、私はごはんをしっかり食べさせてあげることで体力がついて、元気になってくれる可能性が少しでもあるならと、その可能性にすがる想いでいました。
だから、管を外し、ご飯をあげることを止めることに首を縦に触れず、悩みに悩みました…。

タマチャンはどっちを望んでいるんだろう…?
タマチャンが何を思ってて、どうしてほしいのかが、当然ながら言葉が通じないので分からず、もどかしい気持ちでいっぱいでした。
「今、辛い?苦しい?」と問いかけても、返事はないので、余計に辛く感じてしまいます…。

次第に立つこともできなくなってきて、すぐ横に置いておいたトイレにも間に合わなくなってきました。それでも、そんな状態でも、猫ちゃんって、ちゃんとおトイレに行こうとするんです。

「にゃ―。にゃー…。」
以前より弱くなった声で、何度も鳴くタマチャン。
何を訴えてるのかは分かってあげられませんが、目の前のタマチャンは頑張って息をしていました。頑張って生きていました。その姿に涙が止まりませんでした…。

「今晩が峠です。」
そう告げられた夜は、一刻も早く仕事を終え、タマチャンの傍にいてあげたい気持ちでいっぱいでした。
色々な想いが溢れる中、そんな想いとは反して仕事が立て込み、残業となってしまいました。

そのような状況での冒頭、母親からの電話でした。
そこからは、この間にタマチャンが亡くなっちゃったらどうしようと焦る気持ちを抱えながらも、ただ少しでも早く帰ろうと、黙々と仕事をしました。
仕事を終えると、泣きながら急いで車を飛ばしました。

家に着き、急いでタマチャンの元へ行くと、朝はうずくまっていたタマチャンが横たわって息をしているだけの状態でした。
時折、本当にひ弱な、か細い声で、何かを訴えるかのように鳴いて、そのたび私もタマチャンに話しかけて….。一晩中泣きながらタマチャンを見守りました。
タマチャンは翌朝まで頑張ってくれ、私は後ろ髪を引かれながらも仕事へ向かいました。

そして、仕事中に母親から電話がかかってきました。
「もしかして……。」
嫌な予感は的中しました。
「10時45分、タマチャンが息を引き取りました。」
声を震わせ、鼻をすすり泣きながら母が教えてくれました。
仕事中ということもあり、涙を堪えながら、母に「看取ってくれてありがとう」と伝えました。

私は最期を看取ってあげられませんでしたが、母親が看取ってくれ、一人で逝かせてしまわなかったことがせめてもの救いでした。

鼻から管をされ、辛かったかもしれません。
最後にその管を外すかどうかの選択を迫られ、どうしてあげることが一番タマチャンにとって良いのか。管を外さなかった判断がタマチャンにとって良かったのかどうか…。
それでも亡くなる前日、一晩ついていてあげられたことで自分としては少し救われたような気がします。

今になって感じることがあります。
介護をされていらっしゃるご家族のお気持ち。
大切な方の為に選択を迫られたときのお気持ち。
「看取る」ことの意味。
命って本当に儚くて、でも尊いものだということ。

タマチャンとの出会いを通して、本当に色々なことを感じさせてもらいました。
タマチャン、最期まで本当に頑張ったね。今までありがとう。

平安会館 文十鳳凰殿

担当 榊原 裕子


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