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百合の蕾

雪がしんしんと降りしきる お通夜の日…。
愛知県岡崎市の葬儀会館【平安会館 ソサイエ岡崎大平斎場】にて、71歳のお母様をお送りする式が執り行われました。

喪主は旦那様が務められました。旦那様は奥様が先立ってしまったことに、実感を持てずにいるようでした…。

お遺影のそばに見えるのは、百合のお花です。
故人様は百合を大切に育てていたとお聞きし、百合をポイントとして飾りました。

そして、菓子器の中には、色んな種類のお菓子が…。こちらは、のちほどお柩内に納めるお品です。
また、子供一同で供えていただいた篭盛も、お柩近くに飾りました。
このどれもが、故人様を想う、ご家族のお気持ちの表れです。

定刻の五分前…。
葬儀式の始まりに際し、喪主様より祭壇にお灯しいたしますお光を頂戴しました。

同時に、通夜の日に故人様のお姉様がお書きになった川柳を、ここで披露させていただきました。

リハビリにも通い、病気が少しずつ回復してきたところで急に倒れられたという故人様。
ついこの間のお正月も、お子様とお孫様と賑やかに過ごしていたそうです。
3歳になるお孫様が泣いていたのを見て、お孫様のことを大切にかわいがっていらした故人様のお姿がひしひしと伝わってまいりました。

葬儀式が終わると、お柩へ、お花と川柳、お菓子を入れていただき、おふたを閉じます。

そこで、ふと思いました。
通常なら、綺麗に咲いているお花をお柩に手向けていただきます。

しかし、お母様は “百合を育てていた” のです。
咲いた百合だけじゃなく、蕾の百合も持って行ってもらいたいと思いました。向かう先でも、百合が育てられますように…。

そう考えて、ご家族様にお声をかけると「確かにそうですね!入れてあげないと!」と、喜んで蕾の百合を納めてくださいました。

お花を見るのが好きだったのか、それとも、お花を育てていらっしゃったのか。それだけで、お柩に入れるお花は違ってきます。
そんな少しの違いに気付き、寄り添い、たった一つのお式のお手伝いをしていくべきだと、このご縁を通じて強く実感いたしました。

【平安会館 ソサイエ岡崎大平斎場】でお世話になりました皆様、どうかご自愛くださいませ。

平安会館 ソサイエ岡崎大平斎場

担当 登地 夏生


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