「まだ、もう少し頑張ってくれると思っていたのに…。」
先日お手伝いいたしましたご家族様は、涙ながらにそうおっしゃいました。
突然のお別れに心の整理もつかぬまま、ご葬儀を執り行い、お別れしないといけない状況でした。
それでも、最初の打合せから最後のご自宅での今後のお話まで、皆様涙ながらも仲良く、笑顔で送られた2日間でございました。
可愛いお孫様が無事に医者の道へと進まれ、そのことを誰より応援し、喜んでくださった故人様だったそうです。まさに、故人様にとって自慢のお孫様でした。
その、誰より自分のことを喜んでくれたおじいさまは、もちろんお孫様からしても大切な存在でした。
入院先もたまたま、お孫様のお勤めされる病院だったそうです。
コロナ禍で面会規制があるなか、最期まで可愛いお孫様のいる病院で入院生活を送られたこと…。そんな偶然のようで必然だったように思える出来事を、ご家族様が教えてくださいました。
また、畑仕事を何よりの楽しみとされていらした、故人様。しかし、最後は畑に行けなくなってしまって、楽しみがなくなってしまったそうです。
そこで、少しでも向かう先で畑仕事ができるようにと願いを込め、野菜の種と、愛情がたっぷり注がれた畑の写真をご用意いたしました。
ちょうどご葬儀前日がバレンタインでしたので、チョコの代わりに、一緒に持って行っていただきました。
そして、3時のおやつの時間にインスタントコーヒーを飲むのがおじいさまの日課だったと伺いました。
ちょうど皆様が火葬場で過ごすお時間が3時だと思い、その3時のおやつのコーヒーを皆様で飲んで、故人様をお偲びいただけたらと、ご用意いたしました。
皆様、故人様を想い、コーヒーを味わってくださったと、のちほどご家族様よりお聞きしました。
そのお言葉をいただき、「良かった…」と、私もほっこりいたしました。
お葬式には、“どこか悲しいもの”というイメージをもつ方が多いかと存じます。
しかし、大切な方を送られる日が、悲しい想い出の日になってしまわぬよう…。
少しでも笑顔で送ってあげられ、“その日”が皆様の温かい想い出となるよう…。
そう願いながら、日々お手伝いをしております。
このたびも、ご家族様にとって心に残る1日となっていたら幸いです。ありがとうございました。
文十鳳凰殿 西尾中央斎場
担当 榊原 裕子
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