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おばあちゃんに会えた気がしました

“人は二度死にます”
とお寺様のお話の中で、何度となく聞いたことがあります。

一度目は…
その肉体が生命を終えた時。
二度目は…
その人を覚えている人が一人もいなくなった時。

初めて聞いた時、とても心に刺さるものがありました。

私の母方の祖母は18年前、84歳で亡くなりました。
今、生きていたら102歳になります。

三重県の尾鷲市に住んでいたのですが、私が初孫であったことから、小さい時からとてもかわいがってくれました。
保育園や小学生の頃、おばあちゃんと2人で新幹線に乗り千葉のおばちゃん(母の妹)のところへ連れて行ってもらったのは今でも記憶の中にあります。
定年まで小学校の給食を作る仕事をし、出かけるときはいつもピシッとお着物を着ていました。

私も妹も育児が一段落し、毎年11月の命日辺りで母と母の妹と一緒に尾鷲へお墓参りに行けるようになった頃、コロナが流行りだし、やっと今年2年ぶりにお墓参りに行ってきました。

祖母は趣味で木目込み人形を作っており、私の家にもガラスケースに入った木目込み人形が、いくつかありました。
結構な年齢までやっていたと思います。
ずっとこれはどうやって作るんだろうか…と小さい時に思っていたのですが、母も私もおばあちゃんに教わろうという気は全くなかったのです。

先日、ふとしたところで「来年の干支を木目込みで作りましょう」というチラシに目が留まり、おばあちゃんを思い出し、母と妹を誘って参加してきました。

こんなに小さい作品なのに、悪戦苦闘してやっとでき上がり終わってから「こんなに難しい物だったなんて、おばあちゃんすごかったんだね!!」そして「毎年作りたいね!!」と話しました。
その日は一日おばあちゃんDayで過ごせて、なんだかおばあちゃんに会えた気がしました。

もう18年になるんだな。
ずっとずっと忘れない、そして私の子供にも孫にも、ちゃんと教えていかなくては…
大切なことですね。

皆さんも大切な方を思い出して、一日一日を過ごしてください。

12月に入り、途端に風が冷たく感じます。
どうか体調を崩されませんように、ご自愛ください。

平安会館 文十鳳凰殿

担当 藤原 恵美


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