愛知県岡崎市にございます【平安会館 ソサイエ岡崎本宿斎場】にて、96歳になられるお父様のお見送りをお手伝いさせていただきました。
お亡くなりになる4日前まで、お嫁さんや娘さんと一緒に毎日通っていた喫茶店。そこで必ず食べるのが「味噌煮込みうどん」でした。
毎日のことなので、お店ではお父さんが席に着くなり、いつもの味噌煮込みうどんが運ばれてくるほどだったそうです。
「きっとこの数日誰も行ってないから、お店の人も『どうしたのかな?』って思ってると思うよ。」
そうお話しくださったご家族様に、どこの喫茶店かを伺うと、‟喫茶ドルチェ”さん。なんと、いつもサンドイッチをお願いしている当社のお取引様でした。
葬儀日は月曜日、月曜日はお店の定休日です。通夜の打合せが終わって、すぐに電話をしました。
「はい!ドルチェです!」
マスターの奥さんの元気な声が聞こえてきました。
お昼時のお忙しい時間に電話したにもかかわらず、話を聞いてくださり、お父さんのことももちろん知っておられました。
「明日お休みですよね…」と言うと、「いいよ、作るから。何時?」と即答してくださいました。
そして、葬儀日の朝、お店へ取りに伺うと、そこにはいつもの味噌煮込みうどんがありました。
奥さんが「食べた後、必ずコーヒーを飲んでいたから、コーヒーも淹れておいたよ」とコーヒーのセットまで用意されていました。
マスターも「必ず、毎日新聞を読んでいたから、新聞もいれておいたよ」と…。
そして「これは皆さんで火葬場で食べてもらうように作っておいたよ」と、サンドイッチを大皿でくださいました。
「本当にありがとうございます。きっとお家の方も喜んでくださいます。」
ドルチェさんへそうお礼を伝え、うどんが冷めないうちに本宿斎場へと急ぎました。
斎場へ到着すると、もうかなりのご親族がそろわれていました。
「ジャ~ン!!お父さん、いつもよりちょっと早いお食事だけど…。」
ご親族がいらっしゃる控室へ、うどんをお持ちしました。すると、皆様が一斉に集まってこられました。
「え?味噌煮込みうどん?ドルチェさんの?」
「今日月曜日だからお店お休みなんだけど、昨日電話で話をしたら作ってくださったよ。そして、これは私たちからのお供えでって。」
「えーーーーっ!!そうなの?すごい!お父さん、よかったね。最後にドルチェさんのおうどん頂けて…。」
そうおっしゃって、娘様は泣いて喜んでくださいました。
まだ小さなひ孫様たちも、マスターと奥さんの写真を見せたら「あっ!いつもいる人だ!」と…。ひ孫様たちも連れて行っていたお店だったんですね。
うどんは少しお供えをした後、「せっかくだから皆様で頂いたら?」とご提案をし、皆様に召し上がっていただきました。小さなひ孫様方は熱々より少し冷めたくらいのおうどんがちょうどよかったらしく、きれいにたいらげていらっしゃいました。
コーヒーはお別れの時に“末期の儀”として、お父さんのお口に含ませていただきました。
「お父さん、ドルチェさんのコーヒーだよ」と…。
ドルチェさんのご配慮があって、ご家族の皆様には忘れられないご葬儀となりました。
いつも朝から夜まで車がいっぱいのドルチェさん。地元に住んでいながら、ドルチェさんの人気ぶりに改めてオーナーご夫妻のお人柄あってこそのお店なんだな、と感じました。
本当にありがとうございました。
全てが終わり、ご自宅へ伺ってからも、ご家族様のドルチェさんの話は止まりませんでした。
「いろいろな手続きが終わって少し落ち着いたら、みんなでドルチェさんにお礼に行くわね」と、教えてくださいました。
葬儀日翌日、お借りした食器類をお返しがてら、ちょうど休みだったので私も「味噌煮込みうどん」を頂きに行きました。
とっても美味しかったです!!
平安会館 ソサイエ岡崎本宿斎場
担当 藤原 恵美
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