身寄りのないお一人様高齢者の方は、やるべき対策がわかったとしても、どこに相談すれば良いか、まず何から始めれば良いかがわからない方も多いでしょう。
そこで我々がおすすめする相談先は以下の3つです。
- 司法書士・弁護士事務所
- 自治体
- 民間企業やNPO法人など
各相談先で対応可能な内容が異なるため、詳しく解説していきます。
司法書士・弁護士事務所
身寄りがないお一人様高齢者が行うべき対策は、契約行為や公正証書の作成などが発生するため、法的な知識が必要となります。
そのため、まずは法律の専門家である司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
司法書士や弁護士は、お一人様高齢者が行うべき対策についての相談だけでなく、実際の手続きのサポートや代理を行ってくれます。
また、本人の状況に合わせて、サポートを行うことも可能です。
ただし、専門家であれば誰でも良いという訳ではなく、お一人様高齢者の問題について、経験や知見がある専門家を選ぶようにしましょう。
自治体
自治体においても、お一人様高齢者に役立ついくつかの事業がおこなわれています。
- 見守りサービス・安否確認
- 食事サービス
- 入退院時サポート
- 暮らしの困りごとサポート
- 電話訪問
- 緊急通報システム など
自治体によって提供サービスの内容は異なりますが、お一人様高齢者向けのサポートや施策を多くの自治体が行っています。
どこに相談するか分からない時は、まずはお住まいの地域包括センターに相談するとよいでしょう。
また、契約ごとで分からないことがある場合は、お住まいの地域の近くの消費生活センターへ相談も可能です。
民間企業やNPO法人など
民間企業やNPO法人などでも、それぞれ独自のサービスを提供しています。
警備会社では、監視カメラやセンサー、ペンダント型ボタンなどを活用した緊急通報システム、位置情報のアプリ確認サービスなどがあります。
また、身元保証・財産管理・任意後見人の受任・死後事務の受任や入院・通院サポートなどを提供するNPO法人などもあり、自身が必要とするサポートを選択して依頼することも可能です。
ただし、民間企業ではそれぞれ専門分野や得意分野が限られたり、NPO法人ではどの団体に依頼するかの選択が難しいケースもあります。
そのようなケースも踏まえて、まずは信頼できる司法書士や弁護士などの法律の専門家へ問い合わせることをおすすめします。
前回の記事でお一人様高齢者が考えるべき7つの対策を挙げましたが、自分でどの対策が必要なのか、どう進めていけば良いのかを判断することは難しいですよね。
お一人様高齢者の方の不安や悩みは、実に多岐にわたります。
- 自分が急に倒れて病院に運ばれたらどうしよう
- 認知症になったらお金の管理は誰がしてくれるの?
- お葬式やお墓はどうなるのか…
民間企業や自治体などでは提供できるサービスの範囲が限られていたり、全ての分野において専門性が確保できない場合も多くあります。
お一人様高齢者の方は、とにかく元気で判断能力が保たれているうちに、財産や身元保証、死後事務などに関する契約を結び、対策を施しておくことが重要となります。
「身寄りがない…」「一人暮らし…」まずは専門家にご相談を
身寄りがない、一人暮らしの高齢者の方は、何も対策をしなければ、本人の意図に沿わず財産承継や医療が行われたり、認知症で不動産の売却や銀行手続きができなくなるなど、さまざまなリスクが発生します。
また、家族や親族はいるが、遠方に住んでいる、迷惑をかけたくないという方も多いでしょう。
老後や相続に関して、本人の希望を実現するためには、できる限り元気なうちに財産管理や身上監護、身元保証、死後事務などに関する委任契約を結んでおくことが大変重要です。
参照記事:https://trinity-tech.co.jp/ohisapo/column/3/